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行列のできる育児相談所|イヤイヤ期に毎日イライラする…優しいママ/パパになれず自己嫌悪してしまう
育児をしていると、子どものほめ方やしかり方、遊び方、ママからの指示に応えられないことなど、悩みは尽きないと思います。
数多くある育児本や教育論、子どもの個性――もう何をしたらいいのかわからない、誰か教えてくれ、という気持ちから生まれた本企画が、「行列のできる育児相談所」です。
なんかそれっぽい人たちに議論してもらって、それっぽい回答が得られたら良いな。そんな願いを叶えてくれそうな架空の番組を作成し、少しでも心が軽くなればこれ幸い。育児に悩める同志にも、見て楽しんでもらえたらうれしいです。
今回の相談
3歳と1歳の娘さんを育てる共働き家庭。 朝の支度、帰宅後、お風呂、寝かしつけ前。イヤイヤ期の3歳児に声をかける回数が増えるほど、親のほうも疲れてヒートアップしてしまう。
「また強く言ってしまった」「優しい親でいたいのに、全然できなかった」と、寝かしつけ後に落ち込む日が続いている。
今日は“怒らない親になる方法”ではなく、イライラしてしまう日でも家庭が回りやすくなる工夫を、みんなで囲んで話していきます。
出演者
菅原透真 / フリーアナウンサー
中森結衣 / 小児科医
細川里佳 / 臨床心理士
小野田駿 / 保育士
滝川美緒 / 家事シェア研究家
藤森彩 / 編集者
大竹蓮 / お笑い芸人
オープニングトーク
菅原透真 / フリーアナウンサー
今日のテーマ、かなり多くの家庭に刺さると思います。イヤイヤ期の子どもに毎日イライラしてしまって、そのあとに親自身がいちばん傷つく、という話ですよね。
怒らない親を目指すと苦しくなるけれど、怒ったあと毎回自己嫌悪で終わるのもつらい。 今日は、その間をどう歩けるかを聞きたいです。
大竹蓮 / お笑い芸人
これ、たぶん優しくしたくない親って少ないんですよね。優しくしたいのに、靴を履かない、服を脱がない、歯みがきを嫌がる、下の子も泣く、時間もない。
その全部が重なって、心だけ先に限界が来る。そこを責めないで話してくれる回であってほしいです。
中森結衣 / 小児科医
最初にお伝えしたいのは、3歳のイヤイヤは反抗というより、自分で決めたい気持ちと、うまく言葉にできないもどかしさが重なって起きやすいということです。
だから真正面から「言うことを聞かせる」でぶつかると、お互い熱くなりやすいんです。たとえば「早く着替えて」ではなく、「青い服と黄色の服、どっちにする?」に変えるだけで動きやすくなることがあります。
「やる・やらない」ではなく、「どっちでやる?」に変えてみる。
細川里佳 / 臨床心理士
親のイライラも、突然ゼロから生まれるわけではありません。多くはその前に、焦り、疲れ、予定のズレ、下の子への対応、仕事の疲労が積もっています。
なので、「怒らないように頑張る」だけでは止まりません。止める場所はもっと手前です。怒りが上がった瞬間に説得を続けないことが大切で、私は20秒だけ離れるをよくおすすめします。
「今ちょっと怒りが大きいから、10秒離れるね」と短く言って、水を飲む・窓を開ける・洗面所に行くを先にする。
「優しい親になれない」と感じる日ほど聞きたい話
小野田駿 / 保育士
保育の現場でも、イヤイヤが強い子に「早くして」はあまり効きません。代わりに使うのが、見通しと遊びです。
たとえば帰宅後なら、「手を洗う → ひと口おやつ → お風呂 → 絵本 → ねんね」を写真や絵で見せておく。着替えも「服さんが待ってるよ」と遊びにすると、親子ともにぶつかりにくくなります。
写真4枚 + タイマー1個で、寝る前のバトルが短くなりやすいです。
滝川美緒 / 家事シェア研究家
共働き家庭で見落とされがちなのが、育児の困りごとが、実は家事と時間割の問題でもあることです。
夕方のイライラは、親の性格より“詰みやすい動線”で起きることが多い。おすすめは、帰宅後の担当をぼんやりさせないこと。18:00〜18:30はパパが上の子、ママが下の子。18:30で交代のように区切るだけで、指示と不満が飛び交いにくくなります。
「誰が何を、何時まで」を一度だけ紙に書いてみる。察し合いは疲れやすいです。
藤森彩 / 編集者
寝かしつけ後の自己嫌悪って、今日できたことが全部見えなくなって、怒った場面だけが頭に残るのがつらいんですよね。
だから私は、夜にひとつだけでも事実ベースで“できたこと”を拾うのが大事だと思っています。たとえば「今日は怒ったけど、ごはんは食べさせた」「最後に抱っこはした」でもいい。
自分を丸ごとダメ判定しない仕組みを作ると、翌日に持ち越しにくくなります。
菅原透真 / フリーアナウンサー
ここまで聞くと、親がもっと頑張るというより、ぶつかりやすい場面の前に仕掛けを置くことが大事なんですね。
ただ視聴者としては、こうも思いそうです。危ないことをしたときは、穏やかに待っていられない。そこはどう考えたらいいですか。
中森結衣 / 小児科医
危険行動は、共感より先に止めて大丈夫です。道路に飛び出す、椅子によじ登る、妹を強く押す、物を投げる。こういう場面は、短く止めるが基本です。
ポイントは、長く説教しないこと。「止める言葉は短く、説明は落ち着いてから」に分けたほうが伝わりやすいです。
「ストップ、危ない」 → 体を止める → 落ち着いてから一言だけ説明する。
今夜から試せる3つの具体策
命令を二択に変える
「早くして」→「赤い靴と白い靴、どっち?」。イヤイヤ期は、指示そのものより“決められる感じ”に強く反応することがあります。
怒りが上がったら説得を止める
20秒だけ離れる。水を飲む、洗面所へ行く、カーテンを開ける。親の温度を一段下げてから戻るだけで声の強さが変わります。
寝る前に修復のひと言を入れる
「さっき大きい声でびっくりしたよね。ごめんね。もう一回やり直そう」。自己嫌悪で閉じるより、関係を戻して一日を終える方が次の日につながります。
“自己嫌悪で終わらない”ための会話
細川里佳 / 臨床心理士
親が強く言ってしまったあとに、完璧な反省をしようとすると余計につらくなります。大事なのは、長い説明より安心を戻す小さな行動です。
目を合わせる、座って話す、背中をさする、一緒に水を飲む。親子関係は、一回怒ったことで壊れるというより、修復がまったく無い日が続くことでしんどくなります。
小野田駿 / 保育士
子ども側も、怒られた内容を全部覚えているというより、空気の強さに飲まれてしまうことがあります。だから修復のときは、たくさん説明しなくて大丈夫です。
「びっくりしたよね」「もう一回やり直そう」くらいの短さで十分。次の行動に一緒に移れることのほうが、子どもには伝わりやすいです。
滝川美緒 / 家事シェア研究家
もうひとつ大事なのは、夫婦でその日の失敗探しをしないことです。帰宅後の混乱は、誰かひとりの未熟さより、余白の無さで起きていることが多いです。
夜に話すなら、「今日はどこで詰んだか」「明日は何をひとつ減らすか」だけで十分。原因究明大会にしないほうが続きます。
「今日はお風呂前が詰んだ」「明日は服を先に出す」で終える。反省会は3分以内でOK。
大竹蓮 / お笑い芸人
なんか希望ありますね。毎日ニコニコの聖人を目指さなくていいってことですもんね。
昨日よりちょっと事故率が下がったとか、修復が前より早かったとか、そのくらいの見方のほうが、現実の育児には合ってる気がします。
菅原透真 / フリーアナウンサー
今日の話を聞いていると、親を責めるより、仕組みで助けるという方向がずっと一貫していますね。
イヤイヤ期は、親の愛情が足りないから起きるのではなく、子どもの発達と家庭の忙しさがぶつかりやすい時期。だからこそ、今夜から試せる工夫を少しずつ置いていくのが現実的なんだと思いました。
バタつく時間帯を回しやすくする小ワザ
朝の支度
服・靴・持ち物を前夜に見える位置へ。 朝は判断回数を減らすだけで衝突が減りやすいです。
帰宅直後
手洗い → ひと口おやつ → 次の行動の順を固定する。空腹のまま要求が増えると、親子ともに崩れやすくなります。
お風呂前
写真・絵・タイマーで見通しを出す。声かけだけで押し切ろうとしないのがコツです。
寝る前
「怒らなかったか」より「修復できたか」で一日を閉じる。抱っこ、背中トントン、ひと言謝るだけでも十分です。
この回で残ったこと
イヤイヤ期に毎日イライラしてしまうのは、親失格の証拠ではありません。 3歳と1歳を抱えた共働きの暮らしは、そもそも余白が少ないです。
だから必要なのは、「もっと優しい親にならなきゃ」という精神論だけではなく、二択にする・見通しを出す・離れる・修復するという小さな仕組み。
今日うまくいかなかったとしても、明日またやり直せる家庭なら大丈夫。 イヤイヤ期の育児は、親子で少しずつ回し方を見つけていく時期なのだと思います。


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